株式譲渡

株式譲渡

株式譲渡とは、売り手側が既存の株式を譲渡することによって会社の経営権を買い手側に譲り渡すことを「株式譲渡」といいます。
よって株式譲渡では、株主が代わるだけで会社名や会社が保有する債権債務、取引先との契約関係、許認可権など有形無形の資産をそのまま引き継がれますので、対外的に見える大きな変化はありません。
手続きが簡単なため、買い手側はスムーズに経営権を取得することができますが、売り手企業に簿外債務(決算書に記載されていない負債)があった場合、それらも引き継いでしまうリスクもありますので、買い手側は株式譲渡により企業買収する前には十分なデューデリジェンスが必要です。

一方、売り手側(株式を保有しているオーナー社長)は、会社が存続する上、オーナー社長が保有する株式を譲り渡すことで直接現金を手にすることができますので創業者利益を得やすい方法と言えます。

中小企業のM&Aの場合、株式100%を譲渡するケースが大半ですが、異動する株式の割合によって株主の権利が異なってきます。一般的に発行済株式数の50%超を取得すれば、会社を買収した」「子会社化した」ということになります。

株式を取得する方法のもう一つに「第三者割当増資の引受」というものがあります。
「株式譲渡」は、既に発行されている株式を既存株主から買い取る手法ですが、「第三者割当増資」は、新たに発行された株式を買い取るという手法です。
株式譲渡の場合は100%の株式を保有することが可能ですが、第三者割当増資の場合は既存の株主が存在するため100%の株式取得は不可能です。

株式譲渡価格

オーナー社長は創業時において会社に資金を提供しているため、保有する株式をいくらで売却するのか、は非常に重要です。株式譲渡の際には、今自分が保有している株式がどれくらいの価値があるのかを把握する必要があります。

企業の価値を算定する方法はいくつかありますが、

・会社の資産をベースに計算する方法
・類似会社の株価を基に算定する方法
・キャッシュフローをベースにした事業価値の算定方法

などが多く用いられている。ある程度理論に裏付けされた納得感のある企業価値を計算した上で売り手側は交渉にあたることが望ましいでしょう。

売却のタイミング

もうひとつ大切なことは株式を売却するタイミングでしょう。例えば業界全体の情勢が大きく変わり将来の業績の見通しが変わることがあるでしょうし、株式市場の変化によって類似会社の株式価値が変化することも想定されます。
その結果、売却価格に影響を与えるだけでなく売却の成否にも影響が出るかもしれません。

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